仮想通貨は金に代わる存在とはならない

2017 年はビットコイン価格の急上昇が大きなニュースとなり、仮想通貨市場が非常に注目されました。金価格は 13%上昇し、堅調なパフォーマンスを見せましたが、ビットコイン価格が年末までに 13 倍に上昇したことに比べれば、わずかな上昇にすぎません。一部の評論家は、仮想通貨は金

オルタナティブ投資のパフォーマンス強化には金が有効

年金基金、基金、保険会社、ソブリンウェルスファンド(SWF)といった長期保有を前提とする投資家は近年、分散投資とリターン拡大を図るために、オルタナティブ資産 1への投資を徐々に増やしています。「オルタナティブ」資産がポートフォリオに占める割合は 2000 年には 1 桁台でしたが、SWF で 23%、世界の年金基金で 24%にまで上昇しています 。

ポートフォリオのリスク管理と金投資の役割

金には信用リスクが存在せず価値がゼロになることはなく、資産保全の中核をなす資産である。金の通貨性に着目すると、金は基軸通貨ドルと逆相関の関係にあり、通貨分散としての役割を担う事が可能である。伝統的資産と同程度の流動性を持ち、リーマンショック時においてもその流動性は保持された。また実物資産としての金は、インフレヘッジ機能が期待できる。金は債券や株式とは異なる新たなベータであり、通常時の分散効果に加え、テールリスク発生時においても、わずか数%の組み入れで、ポートフォリオ全体の損失抑制効果を発揮する可能性がある。
市場が複雑化し、世界経済が不安定化する中で、リスク管理の重要性はますます増している。ポートフォリオ運用に内在する様々なリスクを抑制する点において、金投資の意義を見出すことができるであろう。